「住みなれたこの家で
 いつまでも暮らしたい」
「離れて住む子どもに心配をかけたくない」
「まだ一人暮らしできているけど、
 いつまで続けられるか不安」

住みなれたこの家でいつまでも暮らしたい
離れて住む子どもに心配をかけたくない
まだ一人暮らしできているけど、いつまで続けられるか不安

 
司法書士 吉野

「想い出の詰まったこの家、
気心知れたご近所さんのいるこの街でずっと暮らしたい」

以前、お一人暮らしの80代女性がおっしゃっていた言葉です。
でも、離れて住むお子さんは、ご高齢の親御さんが一人暮らしをしていると、急に自宅で倒れたら駆け付けられない、と心配があるのも事実。この女性も、本音は、体が動くうちは一人で気ままに、住み慣れた自宅で過ごしたいと思う一方、子どもに心配や迷惑をかけないためにも施設入居すべきとも思う。
二つの気持ちで揺れていらっしゃいました。

お子さんへの思慮もわかりますが、私は、できる限りご本人の希望を大切にしたいと考えます。住まいは生活の中心。特に、ご自宅は子供の成長の記しとして付けた柱の傷までも愛おしくかけがえのないものですね。
でも、いつまでも健康でいられるとは限りません。まだ大丈夫と思っている矢先に、ご自宅で転倒、介護状態になってしまう可能性もあります。その時に、ご自身が困らない、ご家族が慌てないように、準備しておくことが大切です。

先ず一番重要なことは、ご自身の体が弱った時、判断能力が低下した時に、最も頼りになる方と信頼関係を築いておくこと。
そして、その方が万が一の時に代わりにお金を動かせるよう「法律上の代理人」であることを証明する書類を作成しておくこと。

なぜならば、いざ介護状態になった時、必要なものはやはりお金。一番頼りになる方が、実のお子さんだとしても、きちんと法律上の代理人であることを証明できなければ、当然にご本人の資金を動かせるものではないからです。
お子さんがスムーズに必要なお金を下ろして、支払いができる体制を作っておくことが重要です。この体制が整っていれば、お子さんは親の希望する暮らしを安心して見守ることができます。

自分らしく、希望に沿った生き方をできるだけ長く続けてもらいたい。
それが私たちの願いです。