「子どもは、仕事に育児に
 忙しそうで相談しにくい」
「なんだかんだ言っても、
 一番頼りになるのは妻」
「子どもの世話になるなんて
 まだ考えられない」

子どもは、仕事に育児に忙しそうで相談しにくい
なんだかんだ言っても、一番頼りになるのは妻
子どもの世話になるなんてまだ考えられない

  

司法書士 吉野
 

「できるだけ夫婦で完結させたい。
子どもに負担をかけたくないし、それに、
子どもに自分たちの財産をアテにされたくない」

子どもを頼るより、頼られることの多い60~70代のご夫婦。妻が家計のお財布を長年管理されている方も多いですよね。夫婦二人で築き上げた財産。二人で使っていくことが当たり前だと思います。
但し、いつまでもこの生活が続く保証はありません。万が一、夫が倒れてしまったら。妻が銀行に行っても夫の定期預金を解約することはできません。法律上は、あくまで夫の預金は、夫の固有財産。妻といえどもが当然に動かせるものではないからです。

ここでのポイントは、万が一の時、夫が妻にお金の引き出しができるよう、あらかじめ代理権を与えておくことです。

夫婦の財産はそこに「ある」だけでは足りません。「使える」ことが重要なのです。どちらかが倒れたとき、残された配偶者が、代わりに「使う」ことができなければ財産が有っても意味がありません。“夫婦で支えあう”を実現するには、気持ちだけではなく法律上の代理権を付与しておくことが重要です。

通常ご夫婦は年齢が近いため、いずれは子世代へバトンをつなぐことも70代からは視野にいれておくことが大切です。
お金のこと、介護のこと。ご夫婦が元気なうちから少しづつお子さんと共有していきましょう。ギリギリまでご夫婦だけで問題を抱え込んで、いざ急に子どもに「もう限界だから頼む!」と言われても、言われた子どもだって困ります。
 どこにいくらあるのか?保険は解約できるのか?聞きたくてもご夫婦がもう把握できていなければ、子どもは金融機関を駆け回って照会、家探しして保険証書の捜索をするなど多くの負担を強いられます。

まずはご夫婦。そのあとは、子世代へバトンタッチ。
ご夫婦の年齢が上がるとともに、子世代自身も子育てを終え、しっかりと成長してきます。
これからのことをご夫婦で、そして子世代と一緒に考え始めてみてはいかがでしょうか。